たらこな日々

Being in the "Now"

『ニュー・アース 第10章』新しい地

全米で580万部を突破した「ニュー・アース 意識が変わる世界が変わる」の内容を各章ごとにお伝えしてまいります。

作者のエックハルト・トールについて...

エックハルト・トールはドイツ生まれでカナダ在住のスピリチュアル・マスターです。

彼は29歳の時、長期間に渡り自殺を考えるほどの鬱に悩まされていました。

しかしその後「内なる変革」を通して人生を変えるような至福を経験しました。

彼は特定の宗教あるいは伝統的な教義に属さない現代のスピリチュアルな指導者で、著書やセミナーを通じて苦しみから脱する方法について語っています。

 

この本は私の人生を変えたといっても過言ではないほど私の人生に大きな影響を与えています。私はこの本を読んで「目覚め」のプロセスが始まった一人です。

誤解のないよう申し上げておきたいのですが、私は悟りを開いているわけではありません!

この本は10章で構成されています。

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第1章 私たちはいますぐ進化しなければならない

第2章 エゴという間違った自己のメカニズム

第3章 エゴを乗り越えるために理解すべきこと

第4章 エゴはさまざまな顔でいつのかにか私たちのそばにいる

第5章 ペインボディ(私たちがひきずる過去の古い痛み)

第6章 「いまに在る」という意識が私たちを解放する

第7章 ほんとうの自分を見つける

第8章 内なる空間の発見

第9章 人生の目的は「何をするか」ではなく「何者であるか」

第10章 新しい地

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第10章「新しい地」

※私が解釈した視点からお伝えしています。

 

9章でお伝えした通り、あなたには「内なる目的」と「外部的な目的」がある。あなたは大宇宙を反映する小宇宙なのだから、必然的に宇宙にも「内なる目的」と「外部的な目的」があると気づくだろう。

 

宇宙の外部的な目的とは形を創造し、形の相互関係、相互作用を経験することだ。内なる目的とは、形ではない本質に気づくこと。それによって世界を変えようとしている。この変容の究極の目的は人間の心の想像や理解をはるかに超えている。しかし、この地球ではその変容が私たち人間に割り当てられた仕事なのだ。

 

とはいえ、ここで述べていることを絶対的な真理と受け取ってはならない。どんな概念も数式も無限を説明することはできない。現実はひとつの全体だが、思考はそれを断片化する。すべての思考はある視点を意味し、すべての視点はその性格上、限界を意味する。全体は語ることも考えることもできない。

 

各人の生命(人生)は、一つの世界を表現している。宇宙がそれ自身を経験する独特な方法だ。あなたの形が解体するとき、無数の世界のうちの一つが終わる。

 

「あなた」はどこからともなく突然この世に誕生し、身体の成長だけでなく、知識や活動や所有物も増大していく。影響範囲が拡大し、人生はますます複雑になる。すると、やがて回帰の動きが始まる。あなたの身体は衰弱し、影響力の範囲も縮小する。そして人生のほうがあなたに働きかけて、あなたの世界をゆっくりと小さくしていく。

 

現代人にとって死は抽象概念でしかないから、ほとんどの人は死に対してまったく準備ができていない。死が近づくと衝撃を受け、理解できず、絶望し、恐怖におののく。もはやすべてが意味をなさない。

 

しかし、霊的な次元が開かれるのはまさにこのような状態を通じてである。エゴの殻にひびが入り始めたとき、外部的な目的が崩壊し、内なる目的が現れる。

 

気づきが高まり、エゴに人生を振り回されなくなれば、悲劇的な状況を経験せずとも内なる目的に目覚めることができる。地球に新しい意識が現れはじめているいま、揺り動かされなくても目覚める人たちが増えている。

 

意識はすでに目覚めている。形に現れていない永遠の存在だ。しかし、宇宙は徐々にしか目覚めない。意識そのものは時間を超えており、進化はしない。生まれもしないし、死ぬこともない。意識が事物の宇宙として現れると、時間が流れ出し、進化のプロセスが始まる。

 

意識は知性であり、形の出現の奥にある組織化原則である。意識は現れた形を通じてそれ自身を表すために、何百万年もかけて準備していた。

 

形と形のないものは、互いにからみあっている。形に現れていないものは、気づきや内なる空間「いまに在る」状態としてこの次元に流れ込む。その運命をまっとうする人間という形を通して。

 

意識は形として現れる次元へと転生する。形となった意識は夢のような状態に入る。知性は残っているが、意識はそれ自身に無意識になる。形のなかにそれ自身を失い、形と自分を同一化する。宇宙の進化のこの段階では、外へ向かう運動すべてがこの夢のような状態で進行する。

 

私たちの地球では、人間のエゴは宇宙の夢の、意識の形への同一化の最終段階を表している。これは意識の進化にとって必要な段階だ。

 

地球上の意識の進化における次の段階、それが目覚めた行動だ。目覚めた行動とは、外部的な目的(何をするか)と、内なる目的(目覚めたままでいること)とが調和した行動である。目覚めた行動には三つのモードがある。

 

一つ目は「受け入れる」こと。

楽しむことができなくても、しなければならないことだと受け入れることはできる。受け入れるとは、たったいま、この状況のこの瞬間に自分がしなければならないことだからしよう、と思うことである。受け入れれば安らかな気持ちで行動できる。この安らかさ、微妙な振動のエネルギーが意識であり、そのエネルギーをこの世界に流入させる方法のひとつが抵抗せずに降参することだ。これは受け入れることの一つの側面である。

 

二つ目は「楽しむ」こと。

新しい地では、人々の行動を左右する動機として楽しみが欲望に取って代わるだろう。楽しむことを通じてあなたは宇宙の創造力そのものとつながる。楽しく行動するために変化が起こるのを待っているときよりも、自分の行動をすでに楽しんでいるときのほうが、外部的なレベルでの拡大や前向きの変化は起こりやすい。楽しいのは行動ではなく、そこに流れ込む深い躍動する生命感で、その生命感はあなたと一体なのだ。

 

三つ目は「情熱を燃やす」こと。

情熱を燃やすとは、自分がしていることに深い喜びを感じると同時に、目指す目標やビジョンの要素が加わることを意味する。行動の喜びに目標が加わると、エネルギーの場、振動数が変化する。情熱はエネルギー振動数が高いので宇宙の創造力と共鳴する。情熱は惜しみなく与える。情熱とエゴは共存できない。自分の行動を楽しみ、それが目指す目標やビジョンとうまく組み合わされば情熱が生まれる。

 

新しい意識の担い手たちとは?

彼らは内向きで外に向かう動きは最小限に留まる。彼らは出かけていくよりも、帰っていくだろう。世界に強く関わりたいとか、世界を動かしたいとは毛頭思っていない。野心があるとして、たいていは自立して暮らせるだけの何かを見つけたいという程度だろう。この世界にうまくなじめないと感じる人たちもいる。スピリチュアルなコミュニティでの暮らしにひかれる人もあるだろう。世間からドロップアウトして、社会の底辺で生きる人たちもいるはずだ。ドラッグに走る者もある。最終的にはヒーラーやスピリチュアルな指導者になる者もいる。

 

新しい地が実現すれば、彼らも創造者、活動家、改革者と同じように重要な役割を担うだろう。彼らの仕事はこの地球に新しい意識の周波数を根づかせる錨となることだ。この人たちを「新しい意識の担い手」と呼ぼうと思う。彼らの使命は日々の暮らしを通じて「ただ在ること」。他者との関わりを通じて、新しい意識を生み出すことだ。

 

新しい天が生まれ新しい地が実現するということは、未来の出来事ではない。何ものも「将来」私たちを解放してはくれない。私たちを解放するのは、現在のこの瞬間だけである。そのことに気づくこと。それが目覚めである。

 

新しい天と新しい地は、いまこの瞬間にあなたのなかに生じている。

 

たったいま、地上に人類の新しい種が生まれようとしている。

 

あなたもその一人だ!

 

【完】